うまく生き残れないレベルでダサい

 

2017年 10月

 

下北沢一番街の入り口とわたくし

 

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 下北沢、それは演劇やファッションや音楽、その他諸々のサブカルチャーの聖地とされる(中野はもっとコア)東京都世田谷区に位置する街である。いつまでも駅の工事を行っている。

 わたしも世の若者たちの例に漏れず、下北沢が好きだ。しかし、わたしのような人間が「下北沢が好きです」と言いふらしているのを下北沢の番人に聞かれでもしたら、わたしのPASMOだけ下北沢駅の改札で「ピンポーン♪」と軽快な音と共にはじかれるだろう。改札を出ることができないのに、なぜ「ピンポーン♪」なのかわからないが、こうなったら小田急線に乗り、藤沢まで行き入水自殺するしか道がない。あっ、この正解音なのですね。納得!

 下北沢にどうしても行きたいので、下北沢に行くときは「下北沢に媚びを売る」という表現を使っている。そうするとなんと、ギリ改札を出ることができるのだ。ここだけの裏ワザです。

 ここで冒頭の写真をご覧いただきたい。

 

 ……下北沢で唯一、圧倒的に絶妙にダサい……

 

 白いハイネックのTシャツはUNIQLO(敬称略)で1,000円だったのだが、メンズの商品のため丈がやや長いのが気になる。

 「ボトムスにインしてバランスを取るのが普通」

 は?知ったような口をきくな。駅前のユザワヤで買った裁縫道具で上唇と下唇縫うてまうぞ。

 Tシャツをしたら、女っぽくなってしまうのが嫌である。かと言って男はベローンってTシャツ出して歩いててもこんなふうにダサくはならないから不思議だ。この件に男とか女とかは関係無かった。わたしに落ち度があるだけでした。

 で、下に履いているワイドパンツは丈が長すぎる(わたしの脚が短すぎる)ため、トイレに行った際に裾が床に接しないよう、まくりあげまくりあげまくりあげまくるというクソめんどいステップを要する。

 足もとはまあ、白いコンバース履いとけば間違いないっしょ、という浅はかな考えのせいで靴の中で小指が壊死しかけている。コンバースは幅が狭すぎるのだ。

 

 この写真を見たときにわたしは思いました。

 

「ダサくない?」

「いや、めっちゃダサい」

 

「えっ……ダサい」

 

 ちなみに、このときちょうど『下北沢カレーフェス』という催しがあったため、「カレー!」と絶叫している一枚である。

 もちろんカレー食べました。お客さんが一人もいないお店に入ってしまいました。「今月で閉店します」と張り紙がしてありました。美味しかったです。

 

「下北沢に来たんだから、一着は下北沢っぽい服が欲しいよね〜」

 

 ……あーあ、いよいよ言っちゃったよ。iPhoneの絵文字で言うところのこれである。

 

「🤦🏻‍♀️」

 

 というわけで古着屋さんに行ってきました!お店の名前は伏せます!お店がかわいそうなので!

 まあいろいろなんやかんやありわたしが手に取ったのは、えんじ色のパンツ。

 

わたし「(鏡の前で合わせつつ)うわ、わたし脚みじけえな、マジで」

店員さん「違いますよ〜、外国から買い付けてるんで、外人が脚長いんすよ〜。」

 

 ……  聞  か  れ  て  た  !!!!!!!!

 

 ナチュラルに死にてえ〜 ( ´ ▽ ` ) と思った。恥ずかしさのあまり色黒の顔面が赤面したのでちょうどえんじ色のパンツみてえな色になった。

「試着してくださいよ〜」

 終わったのである。試合終了なのである。

 わたしは試着が大嫌いなのである。試着室からカーテンを開けて出るときの"あの感じ"が無理なのである。似合っていなかったらマジの地獄なのでそのまま直帰したすぎて試着室と自宅が繋がっていたらいいのにな( ´ ▽ ` )と思ってしまうほどに無理なのである。

「いや〜このかわいいパンツだけあっても、何と合わせたらいいかわかんないんっすよ〜」

「え〜じゃあ普段どんな服着てるんですか?」

 ……  答  え  ら  れ  な  い  !!!!!!!!

 「…何着てんですかね。なにも着てないんじゃないっすかね。」

「ハハ」

 もちろん店員さんは笑っていない。前もって「ハハ」って自分で笑っておいて正解だった。

「ま、とりあえず試着だけでも」

 連行。逮捕された容疑者が車に乗り込む瞬間の顔の静止画と同じツラで店内を歩く。

 カーテンを閉めて、とりあえず試着する。なぜならここは試着室で試着するための部屋だからだ。試着しないといけない部屋なのだ。

 

 恐る恐る、履いてみた。

 

 即脱いだ

 即はじめに履いてきたやつに着替えた

 即カーテン開けた

 

「すみませんでした間違えました!!!!!!!!」

 

 気がつくとわたしは店員さんに謝罪していた。

「え?着替えんの早くないですか?履いてみました?」

「履きました間違えてましたすみませんでした!!!!!!!!」

「……そっか〜、じゃあこっちの生地だと厚手だしいいかなって」

「もう大丈夫ですすみませんでしたありがとうございました!!!!!!!!」

 

 退店。

 出禁。

 

 えんじ色のパンツと聞いて、「ん?」と感じた人がもしかするといるかもしれない。

 えんじ色のパンツ、それはわたしの高校生の頃の体育のジャージ、通称『芋ジャージ』の色だった。しかも、わたしが履いてもゆったりめのサイズだったために、それはもう芋ジャージにしか見えなかった。完全に芋ジャージだった。菅田将暉が履いたらオシャレなえんじ色のパンツはわたしが履いたら芋ジャージだった。試着室から直帰したかった。芋ジャージは5,400円+税だった。試着しておいてよかった。芋ジャージに5,400円+税を払うところだった。5,400円あったら原宿でジャニーズの写真をたくさん買えたしジャニーズの写真をたくさん買えるってことは飲み物がたくさん買えるってことだから試着して本当によかった。店員さんありがとう。 

 しかし、わたしは何度でも懲りずに媚を売りにまた来ると思う、下北沢。

 

 

 さよならポエジー『前線に告ぐ』

https://youtu.be/wzHT8lMHFFM