世界史が動いた日の日記

 

2018年 6月12日(火)

 

「あなたのような人に救われるような命なら、見殺しにされたほうがまし」

 

 

免許合宿のため、山形県某所に世話になっている。

合宿に参加してから今日で4日目、ようやくパソコンを立ち上げるだけの余裕ができた。と言いたいところだが、実際のところは日を増すごとに精神が摩耗していて、こうして何かを書ける(書こう)というだけの「救われなさ」が蓄積されたというだけのことだ。

 

今のところ、教習所で得た役立つ知識と言えば

陰キャ』という言葉は、全国共通で使用される言葉

ということくらいである。「こんな言葉、早く消えてくんねえかな~」と思いながらベッドに腰掛け、月曜夜10時25分から『100分de名著』を眺めていた。カミュの『ペスト』だった。カミュは『異邦人』だけ本棚にあるが、あんなに薄いのに最後まで読んでいない。

で、この頃気がつけばNHKばかり見ている。

今朝、『あさイチ』が8時55分に終わった。番組終了間際の博多華丸さんのコメントに「フ」と声に出し笑っていると、画面がすぐ切り替わった。そしてそのまま、米朝首脳会談の中継のぐだぐだっぷりを見ていた。最後まで見たかったが、教習があるので「今、トランプ大統領が宿泊しているホテルを出ました!」というかなりどうでもいいところでテレビを消し、部屋を出た。

なるほど、わたしは『陰キャ』なのか…と納得、している場合ではない。大人になってもこのようなことで傷つくとは、誤算であった。陰口(わたしの耳に届いてしまっているが)を言われることは慣れたものだと思っていたが、尖っていられるほどもう若くはない、ということなのだろうか…。

「うちも最初は陰キャでいこうと思ったんだけどさ-、すぐバレちゃったよね笑」

という言葉を13時過ぎの食堂で耳にした。これには相当傷ついた。高校生の台詞ならまだ許容範囲だが、大人、しかもわたしより年齢が上で、さらには海外留学までしている人がこんなことを言うのだから「あーもうまじで他人って救いようがねえな」と当たり前のことを再認識した。つか、わたしが高校生のころもクラスメイトは同じことを言っていて、そのときは許せなかったから、これはもう一生許せないタイプのやつだ。

 

自分自身のコミュニケーション能力のなさを自覚してはいたけど、それ以上だった。

女性専用宿舎の前で男の教習生が煙草を吸っていて、その前を通らなければいけない場面があった。「お疲れさまです」と挨拶し通り過ぎたら、「そりゃ、こんなとこで煙草吸ってたら冷たい目で見られますよ笑」という声が背後から聞こえてきた。冷たい目を向けたつもりはまったくなかったが、そう見えてんのか…と反省した。

次の日の夕食で、バチクソのギャルが「お茶飲む~?」と聞いてきた。まだコップに入っていたので「まだいい」と言ったらしばらく沈黙があり、そのあとかなりデカい声で「そういうさ、何言ってんのコイツっていう目されたらさ、こっちだって二度と話しかけね~から!!!」と言われ、そのあとマジで話しかけられなくなった。「してないよ」と言ったが「してっから!!!!!」と声量を増してキレた。トラックを運転するらしいギャルは今日卒業して帰っていった。ギャルはずっと正しかった。

 

枕元には常に大森靖子の新刊『超歌手』を置き、眠くなるまで読むようにしている。帯には「美しく生きろ。」と書かれている。空き時間、一人でいるときに美しい生き方のことばかりを考えてしまう。ここへ来てから、自分を保つために高校のときに聞いていた音楽たちがかなり良い薬になっている気がする。昔の自分ありがとう。

『超歌手』は、青森を発つ前にTSUTAYAで買った。あー、TSUTAYAのやさしい人たちに会いたい。TSUTAYAに帰りたい。TSUTAYAはわたしの居場所だと思っていい、と思わせてくれる場所だ。アルバイトを辞め、きちんと就職するために免許を取りにわざわざ山形まで来ているというのに、本末転倒である。

 

あー、思い出した。

新幹線で起きた残虐な事件について「犯人は発達障害だった」「この発達障害というのは~」ということを宮根誠司が日曜の夜に連呼していて、マジの地獄だと思った。専門家が「発達障害と事件を関係づけるのはおかしい」と返すとばつが悪そうにする宮根誠司を見たから、NHKばかり見ているのかもしれない。

 

肝心の運転だが、15日に仮免許の検定試験がある。

わたしはかなり運転がへたくそということがわかり、落ち込みまくっている。運転しながらルームミラーとかサイドミラー見るとか無理だろ。

あまりにふらふらと走行するので、教官には「酔っ払いですか?」と言われた。「合宿期間中は飲酒禁止って言われたから我慢しとるんじゃ!」と言いたいけど言えなかった。路上に出たら山形県の全交通の流れが停止するレベルでまずい。

今日は初めてS字を走行して、左の後輪が二つ目のカーブでナチュラルに脱輪した。無線教習だったので、ノイズの激しいトランシーバーから「カクカクしすぎ」「ハンドル右に切ってください」「そんなに切ったら今度は右に落ちるから」と言われ、教習に使うクリアファイルを返却される際に「そんなに難しいですか」と一言だけ言われた。こういうことか、とギャルが引きずっていたデカいキャリーケースのショッキングピンクを思い出した。

 

両手の爪に違う色のマニキュアを塗って、割れたところに反対の爪に塗ってあるマニキュアを塗ろうとしているのですが、まったくマニキュアが割れず、剥がれず。はたして、山形にいる間に左右の色は逆転するのだろうか…というのだけが密かな楽しみだ。

 

くっそまじで早く帰りてえ。