空梅雨

 

2018年 6月20日(水)

 

フィルムで花火を、iPhoneやデジカメじゃだめな気がした。

羽が生えていないのが不自然な肩甲骨だね、と笑った、笑ったほうがあなたは綺麗だ。顔でなく、表情のこと。

黒いボールペンのインクを飲み干してしまって、窓辺のキャンバスに生命はまだ宿っていない。絵の具が乾くまでに、君の上履きが見つかるといいなあ。そんなふうにして南風、鍵をこじ開けて僕らに触る。

視界が霞んで、自転車を漕ぐときは、後ろへ流れる匂いを頼りに、君は整理券を受け取るのを忘れて、忘れたまま、市営バスの後ろから二番目、右側の座席に座るんだ。鞄から取り出した文庫本を燃やして、君の居場所を知らせてくれないか。

紺色のスカートの重さを引きずって、有限の数字を遡れば永遠がほどけて、太陽はあの日々にも存在していたっけ?って、身軽になった今は点として、明日も点として。

追いかけるから、と言ったね。君が踏んだ道、地を割って芽生えたものが、枯れている。

在来線を乗り継いで行く街。