それと、それにまつわる記憶

 

2018年7月19日(木)

 

地下鉄の乗り換えが不安なこと、壁から剥がれ落ちたタイルを一枚、今も大切に持ち歩いていること、ジンクスを打破すること、飽きずにこの街に暮らし続けること、家族写真があること、遠くから鳴る踏切の音がいつまでも途切れないこと、傷んだCDのこと、「君にはどうせわからないよ」と言われたこと、コンビニから出てすぐに三日月を指差したこと、弾けもしないのにギターを持っていること、床で眠ること、これらのすべてが並行している世界のこと。

 

(新学期、あの子の鉢の花だけが枯れていた。)

 

川沿いで石を蹴って歩いた、京急が頭上を通過すると夏という感じがする。降りたことのない駅ばかりがある、気だるい、一番端の席に座っていても満足できない、ちっとも。目の前に座る人、かわるがわる、夏?

 

それと、それにまつわる記憶

 

「はっきり言って、きみの身体に用はない、わたしはいつも、その深部にある得体の知れないものと会話をしている」

「それでは、手は繋がないのですか」

 

見上げても窓しかない、砂のようなコンクリートに足元を奪われる、人なんてどうせ、の僕だって人じゃないか、立派に、立派じゃない人じゃないか。

 

週刊誌が雨に濡れていたとして、それを手に取らない君に会ってもつまらない。何かがひとつ、終わってしまったというだけのことで、それ以上に言うことも、言うべきことも、言いそびれたこともない。

 

白い部屋の中に、白いワンピースの君が立っている。撃たれ、震えるたびに着彩されていく君を、見るだけの部屋なのだ、ここは。

 

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